Webデザイナーが他のデザイナーよりも低く見られる2つの理由
2015/11/16
W3Qで「Webデザイナー(クリエーター)が他の分野のデザイナー(クリエーター)よりも低く見られている」という旨のトピがあったので意見を書いてみます。
Webデザイナーが低く見られる2つの理由
私が思うにWebデザイナーが他のデザイナーよりも低く見られる理由は2つあります。
その理由の1つが、業界の歴史が短いということです。歴史が浅いので周囲の見る目も養われておらず正当な評価が出来ていないのではないかと感じます。
そして2つ目の理由が、この分野の特殊な性質にあると思います。
Webデザイナーになるにはデザインの他にPC操作スキルが人並み以上に必要なわけです。デザインが素人レベルでもPC操作スキルがあれば、PCの知識が無い人にとっては「凄い人」です。そして、素人にはデザインの良し悪しがほとんど分かりません。
つまり、素人相手であれば、なんとなくデザインが出来て、それなりにPC操作が出来ればWebデザイナーとして成立してしまうんですよね。
他のデザイナーはそうは行きません。
例えばファッションデザイナーの場合、なんとなくデザインをして自らそう名乗った時点でデザイナーですが、「PC操作スキル」のような素人との明確な能力違いが無いため、そう簡単に世間からは認められないわけです。
このようにWebデザイナーは世間からプロとして認められやすい職種であるため、中途半端なプロがたくさん生み出され、結果的に業界全体のレベルが低くなってしまうのだと思います。
素人レベルのWebデザイナーが世間に認められることは業界の賃金の低下に繋がる
問題なのは、PC操作が人より出来る程度のWebデザイナーが、知識の無い素人相手に商売をしていることです。実力に見合った料金設定であれば問題ありませんが、顧客の知識の無さを利用し適切でない価格を設定しているケースが多く見受けられます。
制作者自身はデザインに自信があるのかも知れませんが、傍から見たら効果の無い美容器具を高額で売り付けているようなものです。美容器具であれば周囲が指摘することも出来ますが、Webデザインの適正価格について素人は知りませんからね。そういうものだと納得してしまうでしょう。
こういった背景がWeb業界の賃金の低さに繋がっているのではないかと思います。
Webデザイナーは底が浅いのか?
良し悪しは別として多少の知識があれば商売が成立してしまう業界ですが、Webデザインは誰でも出来るような底の浅い仕事なのでしょうか?
それは違います。役割ごとに分業している所も多いため一概には言えませんが、有名なWebデザイナーの多くが以下に挙げるスキルを身につけています。
- デザイン
- HTML・CSSコーディング
- プログラミング
- サーバー関連
- 映像制作
- 撮影
- ライティング(文章力)
- ディレクション
- 企画
こんなところでしょうか。見て分かるようにWebデザイナーには幅広い知識が求められます。もちろんこれら全てを身につけている人は稀だと思いますが、どれもデザイナーとしての価値を高めるものばかりです。そして、Webはまだまだ発展途中の分野であるため、常日頃新しい知識を取り入れていく必要があります。
これまで述べてきたようにWebデザイナーは収入を得ること自体は比較的容易な職業ですが、その道を極めるには多大な知識・経験が必要となる職業です。